文化祭

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* 最後まで弾いて、鈴木先生が頭を下げてようやくホッとして客席を見た。 龍之介はさっきの場所で軽く拍手していた。 拍手して微笑んでいる母の顔を見て、笑った。 週末毎、下手なバイオリン練習に耐えてくれたのだから、感謝したい。 拍手喝采に、アンコールを三年生の代表が弾いている。 安藤先輩の部活での、弾き納め。 その音に精一杯耳を澄ませた。 この人の音。 指揮棒に上げる目線。 全てが好きだった。
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