文化祭

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オケ部の発表が終わってしまえば、あとの文化祭はもう自由だ。 それぞれ、部員はぞろぞろと立ち上がって、文化祭を見に行ったり、飲み物を飲んだり、音楽室を控室のようにくつろぐグループがいる。 今日、明日と続く文化祭も、部室代わりの音楽室でのんびりする子もいれば、もうここには来ず、自分のクラスで過ごしたり、他の発表や展示を見て、過ごす子もいる。文化祭はけっこう自由だから、朝の出席以外、帰ってしまう子もいる。 「柚、この後、どーする?」 みーたんに聞かれて、ちらっと安藤先輩の様子を見た。 沢田君と一年生に囲まれている。 「ん、もうちょっとここに居る。ちょっと先輩に話あるから。みーたんは? もうどこか見に行く? 」 「うーん、クラスの子が、チケットくれたから、かき氷。一緒に、いかない?」 「うーん」 先に気持ちが盛り上がっている時に、ばっと勢いで話してしまいたい。 「あ!? えっ? 話がある? えー!?」 急にそこに気がついたらしい。 「みーたん、後で、報告するから」 ちらっと安藤先輩を見ると、みーたんが目を丸くしている。 「ああ、うん!うん!後で。後でね」 そう言うとみーたんは一人納得したというように頷いて浅井ちゃんとかき氷屋さんへ向かっていった。 私には、まずやらなきゃいけない事がある。
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