文化祭

27/32
前へ
/177ページ
次へ
「龍之介なんか、仕事サボって、マネージャーとイチャイチャしてんじゃん。そんな奴にいちいち報告したくない!」 なんでこいつに報告しようと思ったんだろう。 今日のスピーチで、ほだされていた。 「おい。さっきまでちゃんと仕事してて、交代して暇だから、喋ってただけ。マネとは全く何もない。柚、今朝、俺が言った事、ちゃんと聞いてたか?」 詰め寄られて、まるで喧嘩を売られているみたいだ。 「聞いてた」 「なら、じゃあ、どう思うわけ?」 どうって。 何をどう言えば良いのか。 答えられずにいると、しびれを切らした龍之介が、口を開く。 「柚、スッキリしたってさぁ。あいつにちゃんと告ったわけ?」 それに関して、逃げられないらしい。 「……その前に、もう終わってるって気がついちゃった。でも一応、好きでしたって、先輩に感謝を伝えて来た。今日で部活、最後だし」 龍之介がちょっとおもしろくない顔をして、自分の髪をクシャっと掻いて、聞いている。 「一応、けじめかなぁと思って……」 「ん。で、それで、スッキリしたわけ? 終わってるって、もうあいつは好きじゃないんだ?」 「割と、そう」 「お前、割と、って何だよ?」 嫌だ、龍之介、まじで怒っている⁈
/177ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1105人が本棚に入れています
本棚に追加