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龍之介と話していて、もう時間が展示・発表の終わりの時間にきていることに気が付いた。
「ああ!テニス部に行くの、忘れてた。甘夏ちゃん、見に行くつもりだったのに」
甘夏ちゃん、オケ部を見に来てくれたから、私も行かなくちゃなのに。
「ああ、明日、行けばいい。俺、一時間だけ、サッカー部の仕事で、後はフリーだから。一緒に行こ」
一緒に文化祭を回るなんて、本当に付き合ってる感じじゃん。
ドキッとする。
「う、うん」
「もう帰るんなら、送るけど」
そう言ってくれて、一緒に帰った。
前に送ってくれた時のように、なんでもないおしゃべりしながら駅から家の前まで送ってくれた。
ふわふわしている。
文化祭の高揚感に足して、龍之介が彼氏になったことで、足が地につかない。
「今日、色々、ありがと」
「うん。こちらこそ。明日、またな」
それだけ言って、駅に帰っていく姿を見送った。
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