後夜祭

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そういわれて振り返ると、新井君がバックを手に図書室に入ってきていた。 「あ、新井君。ぜんぜん。ちょっと寝ようかと思っていた。新井君、今日は来客のお世話しないの?」 「んー、するよ。昼から。あと、閉会式の前に投票カウント」 「そっか。それまで暇つぶし?」 「ん。ちょっと時間あるし、パソコンしようかなと」 そういいながら、鞄から小さめのノートパソコンを取り出した。 文化祭、興味がない人には、暇だもんな。 「柚ちゃん、龍之介は?」 「え?」 もう龍之介と付き合ってると知っているのかとびっくりした。 「昨日の龍之介のあれで、その後、柚ちゃんが探してたし。そういう感じなのかなぁと」 ああ。 そうかぁ。 「ああ。うん。正解。龍之介はサッカー部の係だって。終わったら、甘夏ちゃんの、テニスカフェに行くつもり。新井くんも一緒に行く?」 「いや、それはいい」 困ったように笑うから、付き合ってる二人と一緒は嫌なんだろうな。 私もみーたんに誘われたら断るもん。 ごめん。 「ん。そっか」
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