後夜祭

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「柚、待った?」 図書館を出ると、歩き出しならが軽くこっちを振り返って龍之介が聞いた。 「うんん。さっきまで甘夏ちゃんといたし、図書館行ったら、偶然、新井くん来たから、おしゃべりしてた。大丈夫」 「あっそう。なら良いけど」 なんか龍之介、いつもと違って、落ち着いてる気がする。 ちょっと、変な感じ。 「龍、まず、テニス部行こうか? もう甘夏ちゃん、いると思うし」 いろんな展示を通り過ぎて、テニス部のカフェの教室へ行った。 白いユニフォーム姿の甘夏ちゃんを見つけて手を振ると、ラケットを持ってやって来た。 「いらっしゃいませー」 ふふふっと笑って、「来てくれたんだ」と、ラケットに貼り付けたメニューを見せてくれる。 甘夏ちゃんのユニフォーム姿、可愛い。 男子部員は廊下で客引きしていたけど、教室内には女子部員ばっかりがスコート姿で接客している。 結構な客入り。 「すごいな」 龍之介が客入りに感心している、 のか、 スコートに夢中なのか。。。 「でしょ? 今年、テニス部、勝つかもしれないと思って」 「だね。大人気」
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