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「柚?」
名前を呼ばれて、気がつくと、びっくりしすぎて、龍之介を甲冑側に犠牲にしつつ、彼の腕の中に隠れていた。
慌てて龍之介からちょっと離れた。
自分だけ隠れた私、ヒドイ。
かなり龍にくっついたし。
ああ、もう。
これも違う意味でドキドキする。
「ごめん」
暗くて良かった。
鼻水出るくらい怖かったし、今、急に顔が赤くなってる、きっと。
「行こ」
最後の角でまた動画があって、薄暗い、お経を唱える動画が流れていた。
二重のカーテンを抜けて、廊下のざわめきの中に戻ると全てが眩しかった。
他のお客さんも感想を言いながら笑って帰っていく。
「むちゃくちゃ、怖かった!」
龍之介のシャツを放してそう言うと、龍之介が笑った。
「柚、思ったより、怖がり」
「怖かった!」
もう頭が停止していて、怖かった、しか出てこない。
なんで落ち武者。。。
怖いに決まってる。
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