後夜祭

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お願いだから、何か言って。 「龍之介? なんか言って」 見つめたら、龍之介がふっと笑った。 「水色もアリだと思います」 え? はぁ!? 「ばかなの? なんでブラの色に注目してんのよ?」 バシっと龍之介の胸を叩いたら、そのまま手を掴まれた。 「ハハハ。柚。高校生男子の性欲、舐めんなよ。……そんな痕、関係ない」 ばかみたいな事を言ってるけど、目は優しかった。 「ちゃんと隠しといて。俺、襲いたくなっちゃうから」 そう言ってハハハっと笑うと、私の手からリボンを取って留めてくれた。 「うん」 急に自分のした事が恥ずかしくなって来た。 大胆過ぎたかもしれない。 まだそんな関係じゃないのに。 恥ずかしくなって俯いた私の頭に龍之介が手をおいて、髪の毛をクシャっといじる。 「俺、全部、ひっくるめて、柚の事、好きだから」
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