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「柚、じゃ、写メ、送れよ」
放課後、龍之介が立ち上がって、鞄を掴みながら、そう言う。
なんで、命令調?
「おねがいします?」
嫌味に言ってみる。
「はいはい、おねがいします」
適当に返事して、大きな手を伸ばすと、私の髪の毛をクシャッとさせて帰っていく。
あぁー、もう。
手ぐしで直していると、甘夏ちゃんが、「何、送るの?」と聞いてくる。
「ノート。龍之介、遅刻したから」
私も鞄に教科書をしまいながら、返事をする。
そろそろ部活の時間だ。
「あ、甘夏ちゃん、テニス部、文化祭、何かやるの?」
「え? 多分、今年もユニフォーム喫茶。スコートJKの性的搾取」
鼻の上にしわを寄せて、嫌そうな顔をして言う。
テニスウェア、確かに、可愛いからな。人気になりそう。
うちの学校は、部活事に出し物をする。
最終的に投票で、一位の部活は、賞金に特別部費5万円が出る。
二位が3万円。
その賞金のために、各部、知恵を絞る。
まぁ、オケ部は毎年コンサートだけど。
「そうだ、男子にスコート着せようかなぁ」
本気か……
男子の普通のユニフォームのショーパン自体、BL路線には良いと思うんだけど。
すべては、着る人次第。
「ははは。男子に着せても、面白いけど、投票は負けるんじゃない」
ふざけたおしゃべりしながら、廊下にでて、それぞれ部室に向かった。
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