片想いやら

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部活で、安藤先輩の姿に癒される。 発表会で、へまだけしないように、ただただ何度も繰り返しの練習する。 オケ部のバイオリンは2グループに分かれて演奏することが多い。 上手い人が難しいパートの多いバイオリン1。 私はバイオリン2のグループ。 3人いるけど、三人とも高校からの初心者。 3年の塩沢先輩はさすがに安定しているけど、私とみーたんは、いまだに時々、しずかちゃんになる。 ドラえもんの、あの、しずかちゃんのバイオリンだ。 突然、きいいーーーーとおっそろしい音が出る。 コンサート本番で、しずかちゃんになりませんように……。 一年の時、始めたばかりの時は、ずっとそんな感じだった。 安藤先輩の目の前でやっちゃって、真っ赤になったことがある。 「ははは、難しいよね、初めは」 あぁ、優しい。 「もうちょっと、弦をこう、がいいかも」 腕の位置をちょっと直してくれて、ドキドキしすぎて、ますます赤くなったっけ。 まぁ、そういう指導を、安藤先輩は弦楽器全員にするんだけども。 個人練習の後、部活の最後にバイオリン2で、集まって、練習する。 合わせると、まだ全然合わない。やたらに間違える。 あと二か月で弾けるようになるのかしら。 練習の合間にチェロを見ると、先輩と沢田君が合わせている。 2台の重低音がいい感じだ。 安藤先輩が、時々顔を上げて、沢田君の調子を確認して、合わせている。 そういうのが好きだ。 いつも一歩先にいる。 大丈夫だよって言う安定感。
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