片想いの複数形

片想いやら

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　土曜日も、朝から部活がある。

あとでデートに出かけるという母を残して、家を出ると、学校に向かった。

平日と違って、時間がしっかりとれるので、個人練習の後、グループ練習、楽器ごとの練習、全体練習と、たくさんの練習が続く。
2，3年は、一番簡単な曲の全体合わせがあった。
１年生も、一年生の発表曲を練習している。

6月、7月が部活が一番盛り上がる時だと思う。
試合や発表に向けて、練習時間も増えるし、文化祭の企画もあるから、とてつもなく忙しくなる。

オケ部も、一日部活をしていた。

昼休憩に、みーたんと、クラリネットの浅井ちゃんと近所のコンビニへ冷たいものを買いに行ったら、校庭に運動部がたくさん出ているのが見えた。

どこの部も、頑張っている。
なんか夏が来るっていう高揚感にあふれていて、好きだ。

部活終わりに週末なので楽器を借りて帰った。
音を少し消す道具も借りていくので、マンションで遅い時間でなければ、明日練習ができる。

チェロを持って帰る安藤先輩が、大きなケースを背負っている。
ものすごく重そうで、大きい。

それをなんともなく背負う先輩から目が離せない。

先輩、背も高いし、電車で目立つだろうな。

あんまりに見つめすぎて、目があった。
先輩がふっと笑った。

あ、しまった。

慌ててお辞儀して、目を逸らす。

すみません。
心臓がバクバクする。