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母がデートでいないから、テレビを見ながら適当に冷蔵庫の残り物で、一人で夕食にしていると、テーブルの上に放り出した携帯がピコンと小さく鳴る。
メッセージの通知を見て、その差出人に焦った。
龍之介。
ノート、昨日、写メして送ったけど。
「ありがと」って返事来てたし。
また何かノート、いるのかな?
あの日以外、特別にきれいに書いていない。
見せろと言われても、微妙だな。
恐る恐る開けたメッセージは意外とフレンドリーで常識的な、『今、なにしてんの?』だった。
『一人でご飯中』
それだけ送って、これでは私の方が、案外、アン・フレンドリーで、非常識だと気が付いた。
聞かれたら、聞き返そう。
それが会話のルールだよ、ね?
『龍之介は?』
そう送信すると、すぐにもう一度メッセージが届いた。
『別に』
あぁあああ、あいつ。
こっちがフレンドリーにしてやったら、これだよ。
そんなことならメッセージしてくるな。
案の定。
想定内。
『あっそ』
終了。
携帯を睨んで、1分。
終了、でいいんだよね?
そう思ったら、いきなり電話が鳴った。
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