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「あ、そう。そういうことでいいわ。授業中に他所見してっから。んじゃな、柚、バイバイ」
なんか勝手に納得して、私の頭をグシャっと撫でると、私に注意までして、歩き出す。
授業中、ほぼ寝ている奴に、他所見なんか注意されたくない。
「甘夏ちゃん? 絶対、文字かいてたよね?」
「ううん、文字じゃないよ。多分、ただくすぐってたか、ブラ線なぞってた。今日、柚、ブラ、薄ピンクじゃない?」
他の子に聞こえないように、小声で言うので、何かと思ったら、そんなことだった。
「はぁ?」
あいつ!
「さっき、龍之介が、白かピンクって呟くから、つい笑っちゃった」
あの、あの、馬鹿野郎。
ブラの色くらい、知られても、全然なんにも減らないけど。
別に、いいけど。
むっかつく。
一年の頃から、ずっと揶揄われたりしてるけど、席替えで前後になって、それが加速している。
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