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図書委員の当番を三十分やって、オーケストラ部の部室へいそいだ。
うちの学校の部活は運動部は三年の夏の大会まで、文科系は7月末の文化祭の発表会か、夏のコンクールまで活動して終わる。
オケ部は、文化祭で終わりだから、先輩と一緒に部活できるのは、あとニか月弱位しかない。
音楽室に入ると、さっと全体を見渡す。
チェロは出ているけど、安藤先輩は見当たらないから、席を立っているらしい。
音楽室の収納棚から、私のバイオリンケースを掴むと、第二音楽室の端っこにたむろして、音を出しているバイオリンのグループに混じった。
「図書当番でした、すみません」
委員会の仕事で遅れる旨は事前にバイオリンチームの細川先輩には伝えてある。
一年生へ何か指導していた細川先輩が、弓を下して振り向いた。
「ん、いいよ。もうちょっと各自で練習してて」
細川先輩のように、もともとバイオリンが弾ける人もいれば、私のように、この部に入って始めた人もいる。
だから、うちのオーケストラ部は別にまったく強豪校ではない。
それでも発表会はあって、春の新入学生歓迎会と夏の文化祭で発表する。
文化祭では2,3年全員で発表曲を三曲弾く。あとは、上手い人のカルテットとか、一年生の発表曲もあって、結構大きな発表会になる。
重低音のチェロの音が響いて、ちらっと音のした部屋の向かいを見た。
安藤先輩が戻ってきたらしく、調弦し始めている。
心が躍る。
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