チェロとプール

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「あ、2-Bだよね? 龍之介、どうだったか知ってる? 補習になると合宿と当たるって、マネージャーが心配してたけど」 美馬さん、やっぱりサッカー部だ。 龍之介、あんまり行ってないようなのに、マネージャーに合宿の心配されてるのか。可愛いマネ、だし。 「いや、厳しそうでしたけど。現国は、スピーチ出るんで、パスですけど」 さっきの机に突っ伏していた様子では、怪しいだろう。 「ははは、駄目か。あいつ」 話していたら、新井君が廊下を歩いているのが、美馬さんの肩越しに見える。 あ、冷たいうちに、渡さなきゃ。 「すみません。コーヒーの持ち主がいるんで、渡しに行きます」 「うん、後で」 安藤先輩がそういうのを聞いて、頭を下げると、新井君のとこへカフェオレを届けるように、走った。
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