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それからも昼休み、毎日、お昼をさっと済ませて、15分だけ練習した。
文化祭に向けて、同じように練習に来ている1,2年生もいて、時々、安藤先輩も様子を見に来てくれる。
朝、昼、放課後、顔が見れたら、ラッキーだ。
「柚ちゃん、頑張ってるね」
「あ、はい。変な音出さないように気をつけます!」
「ははは。いい音、出してよ」
安藤先輩が、しょうがないなって言う風に、優しく笑った。
「あ。はい。頑張ります!」
「あ、口、もうだいぶ良い?」
「あ、はい。もう大丈夫です。口内炎になりましたけど」
痛々しかった唇は、治りが早くって、それほど痛くはない。かさぶたっぽいから、もう少しで治りそう。
今、痛いのは打った場所の歯茎に出来た口内炎。
文化祭までには治るだろう。
「なんでかな、あれ。口の中、怪我すると口内炎ってなるよなぁ」
「なんか、絶対なりますね」
この間ぶつかった事に気を遣ってか、今までより話しかけてくれる機会が増えた。
文化祭で、もう三年生の部活が終わる。
せっかくちょっと仲良くなったのに。
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