チェロとプール

14/32
前へ
/177ページ
次へ
 土曜の一日練習で、先生の指揮に合わせて3曲、合わせ練習を何度もやった。なんとかまぁまぁ、弾ける。 「明日は、体育館ステージ通し、午後ありますから、全員参加で」 練習終わりに、安藤先輩を見ると、これから細川先輩らと四重奏を合わせるところだった。 朝から三年生は、一年の練習を見たり、パート練習、全体練習と忙しかったから、四重奏は後回しになっていたらしい。 金管楽器の三年生数人も、第2音楽室に移って、四重奏をやっている。 「お先に失礼します!」 全体パートしかない部員は邪魔にならないように、音楽室を出る。 「柚ちゃん、帰る?」 みーたんが、バイオリンケース片手に、こっちを振り返って聞いた。 「うんん、これから図書委員のスピーチ練習がある」 「あ、そっか。暑いから、浅井ちゃんとジェラートカフェ寄っていこうって思ったんだけど」 「ん。また、今度にする。じゃ、明日ね」 下駄箱でみーたんにバイバイして、校舎裏のプールへ回った。 確かに、あっつい。 アイスクリームのお誘いは魅力的だったけれど、龍之介の練習がある。
/177ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1105人が本棚に入れています
本棚に追加