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「先生、職員会議だから、さっさとやるよ」
「あ?そうなの?」
ギャラリーがいない練習で、気楽になったのか、ハハっと笑って、龍之介は言われた場所に移動した。
25m離れたプール脇に向かい合う。
浅い方に龍之介。
深い方に私。
「いい?」
龍之介がポケットから原稿を出したのを確認して、旗を振った。
同時にストップウォッチをスタートさせた。
ストップウォッチを確認しながら、分数のフリップを出す。
声が弱くなったら旗を振った。
2、3回振って、大体、どこまで声を張らないといけないか分かったらしく後半は安定してきた。
短めのスピーチは2分半で終わった。
もっと間を入れてもいいかも。
私の方の原稿コピーに分数のマークを鉛筆の線だけ走り書きでいれた。
一人でストップウォッチもフリップも全部やると、それすら、きれいにできなかった。
金子め。
去年は先生がやってた事まで、私に任せていきやがった。
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