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龍之介を見たら、私を見ていた。
下がってきた午後の日が私の背後に眩しいらしく、目を細めている。
「何それ。急に。最近、龍之介、おかしい」
視線を外して、文句をつける。
いつもからかったりしてたけど、最近、もっと絡んでくる。
こないだも、さっさと先輩に告白してこいとか言ったし、いきなりおでこにちゅーした。
そのくせ、マネージャーと合宿に行けない事で落ち込んでたくせに。
訳が分からない。
私まで混乱してきた。
これも。
この状況も、よく分からん。
「なんか、困る」
「何、柚? 俺が本気出したら、困るの?」
こっちを見て、余裕で笑っている。
何の本気?
私、ちょっと混乱してんのに。
返事が出ずに、立ち上がった。
「か、帰る」
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