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「はい、じゃ、今日はここまでにします。これから、各自、部活以外での文化祭の準備など、忙しくなってきますけど、なるべく朝、夕の練習に参加して、合わせて行きましょう」
バラバラに譜面台を片付けたり、楽器をケースにしまいはじめる。
「安藤、もうちょい合わせる?」
ちらっと伺いみると、細川先輩と、三神先輩が四重奏の合わせをするらしい。
「新庄? やる?」
ビオラの先輩にも声をかけている。
施錠はまだちょっと先だから、ギリギリまでやるのだろう。
いつも安藤先輩は、少しだけ残って、ギリギリまで練習している。
チェロは自前だけど、平日はだいたい、学校に置いて行っているから。
私も残って、ずっと見ていたい。
だけど、そんな事をする勇気もない。
バイオリンを拭いてケースに入れると、収納棚へもどした。
貸出のバイオリンは、週末には借りていける。
平日は夜遅く、借りても家で練習出来ないし、一応、進学校で、部活時間もしっかりあるから、平日の夜は、家で部活の練習するより勉強するように、と顧問に言われている。
「お疲れ様ですー」
「お先です!」
先輩たちに邪魔にならないように、皆、それぞれ帰路につく。
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