前夜祭

2/21
前へ
/177ページ
次へ
空いた時間は、ちょっとでも練習しようと音楽室へ向かっていたら、図書館前で、図書委員長にばったり会ってしまった。 旗やら、フリップカードの入った箱の上に、題目を書いたバナーなんかを乗せて運んでいる。 放っておけない。 「おはようございます。持ちましょうか?」 「あ、水城さん、助かる!」 ほっとした顔をするから、一人で運ぶには重かったんだろう。 「体育館にもう運ぶんですか?」 委員長が抱えた箱の上のバナーやらを手に取りながら、聞く。 「うん。バナー、開会式の後でつけるけど、今日から段幕裏に置けるから」 一緒におしゃべりしながら体育館へ行くと、一年生が椅子をセッティングしていた。 先生達と放送委員が、すでに体育館でマイクセットとか機材のリハーサルをしている。 ギャラリーに演劇用のスポットライトがあったり、ステージ正面で撮影用のカメラのチェックをしていたり、ちょっと本格的だ。 バナーを段幕裏に運び入れて、「図書」と書いた箱に入れて置く。 委員長は、旗やタイマーを生徒用の席の後に置かれたテーブルに置いて、準備し始める。 「委員長。ステージ裏の箱に入れときました。他、やる事あります?」
/177ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1105人が本棚に入れています
本棚に追加