前夜祭

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 オケ部で、委員会をやってない子は、徐々に音楽室に集まって来ていた。正式には午後のリハーサルだけいれば良いのだけど、空いた時間はそれぞれ個人やパート練習に使っている。 みーたんはまだ来ていない。 私はバイオリンを出すと、調弦をし始めた。 安藤先輩はまだチェロを出さずに、音楽室と準備室を行ったり来たりしているから、プログラム印刷とか、別の準備に追われているっぽい。 安藤先輩も呼び出されて、告白とか、されるんだろうか。 されるだろうなぁ。 チェロ姿、かっこいいもんな。 というか、告白したり、するんだろうか。 細川先輩をちらっと見る。 バイオリンをすらっとした首に挟んで、音階をきれいに弾いている。 この二人はどうなっているんだろうか。 そして、龍之介。 あれ、やっぱりそうだよね。 なんて返事したんだろう。 そんな事を考えながら調弦した後、しばらく、音階練習と自分のパートを一人で練習していると、みーたんが来た。 バイオリン2で、合わせるには時間がないかな。 「私、スピーチで抜けるけど、1時間で戻るから、後で合わせよ」 「うん。私もうこの後用事ないから、ずっとここに居るし」 「了解!」 ケースにバイオリンを一旦しまって、体育館へ向かった。
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