新しい学校

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新しい学校

4月1日。 校舎へ向かって真っすぐに伸びる一本道の両側には、桜の花が咲き乱れていた。 今日から開校となった浅川高校の校舎は目に眩しいほど綺麗で、太陽の光を反射している。 やってきた新入生たちは真新しい校舎を見上げて歓喜の声をあげた。 「すっげぇな! どこを見てもピカピカだな!」 「本当だねぇ。一番最初に入学できるなんてラッキー」 「全寮制で推薦された生徒だけが入学できる浅川高校って、もう本土でも有名だもんね! あたしの友達は推薦落ちて泣いてた」 「島に立つ学校って憧れてたんだよなぁ。海も山も近いし、遊び放題じゃん?」 思い思いに会話をしながら学校内へと吸い込まれて行く生徒達。 空は青く、波の音が聞こえて来る浅川高校に誰もが浮き足立っていた。 これから始まる過酷な試練なんて、知る由もなく……。 ☆☆☆ 「やばっ。ヘアゴム忘れてきちゃった」 体育館へ集合したところであたし、吉谷真奈美(ヨシタニ マナアミ)はそう呟いた。 今朝寮を出る時にポケットに入れたと思っていたのに、自分の思い過ごしみたいだった。
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