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プロローグ
俺は徒口 仁世。(とぐち じんや)最終処分場と化したある集落の管理人のような仕事をしている。
久しぶりに最終処分リストが送られてきた。
今回の最終処分案件は五件。特に問題なく実行されるだろう。
俺はこれから集落の連中に、このリストを配らなければならない。
処分は集落の連中の仕事となる。
俺は処分がしっかりと実行されるかを、管理していればいい。
処分されていく過程を見ているのに、最初は多少の抵抗こそあったが、今では当たり前と思えるようになってきた。
いや、むしろ爽快感を覚えている。
クズを処分することは、当然のことなのだからと。
だからと言って、楽な仕事ではない。この集落に住んでいる連中は、半端じゃないからだ。
ここで生活をしていくには、かなり強靭な精神力を必要とする。やわな人間に務まる仕事ではない。
人間の極限を超えた世界を見る事になるからだ。
最終処分物が到達する前に、リストを集落の連中に配らなければならい。
リストを配り終わったら、連中の異常な程の排他的な世界観を、暫く傍観していることになる。
最も、ここでの全ての判断は俺に委ねられている。
仕事は自分の裁量だ。
そう言う意味では、楽な仕事かもしれない。
ただし、かなり強靭な精神力を持っていればの話になるが……。
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