烏見 京矢

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 それにしても、国の馬鹿どものやる事は、理解不能だな。こんな死刑執行を考えるとわな。こんな方法で俺達を殺害してどうするんだ。この光景を撮影して、被害者の遺族にでも見せるのか。  さぞ喜ぶだろうな。  糞だな……。  化物どもは四隅に立ち、両腕と両脚を縛るロープを持つ。  ロープには化物どもが群がり、両手でしっかりとロープを握りしめる。ガキどもまでロープを握りしめている。  そう言えば、霧灯を殺したのはガキだったな。  ガキの頃から狂っていやがるのか。  狂人の英才教育だぜ! 「さっさとやれよ!この化物どもが!」  大声で叫んだが、なしのつぶてだよな。言葉を交わして会話をしている所を見ていない。 こいつらに日本語なんて、通用しないのだろうから。  狂気の綱引き大会の始まりか!  この期に及んで、笑いが込み上げてくる。  俺の意味不明な笑い声が聞こえたのか、化物どもも醜い笑顔を浮かべた。  化物どもが一斉にロープを引っ張り出す。  この世の物とは思えない激痛が全身を襲う。  地獄の底に届くかのような悲鳴を張り上げる。  両腕と両脚の付け根から、ブチブチと破滅的な音が響き始める。  皮膚が引き千切れていく感覚が、妙にはっきりと感じとれた時。  両腕と両脚が自分の物ではないような感覚に襲われ、其々の付け根から一気に力が抜けきってしまったような脱力感に包まれる。  両腕の付け根から、湿った木が折れるような鈍い音が響き、俺の身体から両腕が一気に離れ、鮮血が噴き出す。  同時に股間から、水を満たした風船が破裂したかのような音が響き、両脚の付け根の関節が破壊されて、股間から腹部に向かって身体が裂け、火山が噴火でもしたかのように内臓と鮮血が勢いよく飛び出した。  ベチャベチャと血と内臓の落ちていく音の一つ一つが、ゆっくりと嫌らしい感じで耳元に響いてくる。  自分の身体の喪失と破壊と共に、生命力も一緒に俺の身体から飛び出していく。  身体の中に溜まっていた、全ての物が解き放たれ、軽くなって宙を漂うかのような感覚。  両目に突き刺さる、太陽の光がやたらと眩しい……。  
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