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私は彼女との面会の内容をルカレッリ医師に報告した。彼は失望とも驚嘆ともつかない表情を浮かべた。
それから数日の間、私は毎日彼女の病室に通い、私たちの信仰や使命について議論を交わした。
彼女は私からの意地悪な問いにすべて真っ向から打ち合った。多少の知識不足は見られるものの、付け焼刃で身に付けたとは到底思えないほど、修道女としての自分のあるべき姿についてしっかりとした意見を持っていた。
「あの天啓を受けてから、わたくし熱心に勉強いたしましたのよ」
私が彼女の造詣の深さを褒めると、マリエラ嬢はそう言って微笑んでいた。
「やれやれ……さっぱり尻尾を出しませんね。絶対に恋人と結ばれたいがための演技だと思っていたんですが」
日々の報告を聞き、ルカレッリ医師が溜息を吐く。
「マリエラ嬢の婚約者はね、相当な醜男なんだそうですよ。性格も粗暴でね。誰だってそんな男に嫁ぎたくないでしょう。てっきり私は、それで修道院に逃げ込んで、本当の想い人と密会を続ける魂胆なのだと考えていたんです」
私は修道院をそんなところだと考えられることに憤りを覚えたが、そう思わせる実態があることも否定できなかった。もちろん、私の修道会ではありえないが。
マリエラ嬢の父、カザリーニ侯爵からの催促は日増しに激しくなっているらしい。そのためにルカレッリは少々疲弊しながらも、「強硬手段」を取らずに済む方法を模索していた。
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