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0.フラテッロ・トマゾによる前書き
聖バシリオ精神病棟への慰問を引き継いでから、こうして記録をつけている。いつか私の跡を継ぐ者の役に立つことがあるかもしれないからだ。
本来であれば、この度私が出会った患者は、その存在も、聖バシリオでの顛末も公にすべきでない。だが、先に述べた考えにより、私は敢えてこれを書き残そう。
これが破棄されることなく受け継がれ、いつの日か真相を解き明かしてくれる者が現れることを願う。
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