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6.
なんということだ。彼女の言うことをにわかに信じるわけにはいかないが、もし仮に真実なのだとすれば、とんでもないことだ。
マリさんからプロポーズ……?!
ついに、結婚だなんて。
……いやいや、まだ心の準備ができていない。
でも、断る理由なんて一つもない。
「ねえパパ、なにぶつぶつ言ってるの」
「君、それは本当のことかい?」
「当たり前じゃん、あたし未来から来てるんだから」
「なんてことだ」
「断ってよ」
「え、なんで?」
先程から彼女は何を言っているんだ。マリさんと結婚できるだなんて、最高じゃないか。これ以上の幸せ、この世の中に存在するはずがない。
「パパとママが結婚したせいで、あたしの人生が台無しなんだよね」
「なんだって?」
「だから、最低になるのよ。あたしの人生」
「そんなはずはない、僕は君もマリさんも大切にする」
「あ、そういうことじゃないから」
「そういうこと?」
「どちらかというと、それ以前のこと?」
「以前?」
「あー、もう理解が遅くてイライラするなあ」
目の前で仁王立ちするリコちゃんは、先程よりも露骨に不機嫌な表情を浮かべている。
僕がいったい、何をしたっていうんだろう。
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