花とシロ

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月日が流れて両親も他界、 広い家に花は独りになったけど  「おばちゃ~ん、シロ~」 妹達の子供や孫達は そう声かけながら ひっきりなしに家に来ていた。  「自分で所帯をもたなくても   家族は出来るもんだわ、シロ」 皆に振る舞う料理の支度を 愉しげにする花の足許にはシロ。 この絵がピタリと止まったように 花とシロが死んだのは 花、90歳の春だった。
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