1人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
どこに隠れても見つかっちゃうのよねっ。
「メリーさんの臭い、すんすん」
どういう嗅覚!?
私が追いかける側なのに、なんでそっちが追いかけてくるの!
ねぇ、おかしいじゃない。
私は泣く子も大泣きするメリーさんなのに!
ぜぇ、ぜぇ。
あの後、死ぬ気で逃げたわ。そもそも生きてないけど。
とりあえず、あの殺し屋はまけたみたいね。
もう、別のターゲットにきりかえましょ。
あんな奴、脅かせる気がしないもの。
そうね。
今度はもっと楽な奴がいいわ。
無駄に好戦的じゃなくて、無駄に勘が良くなくて、無駄に運動神経が良くない奴。
あと、常識人である奴なのも必須条件よ!
息が整うのを待っていたらちょうどターゲットになりそうな奴がいたわ。
暗い顔で俯きながら、通りを歩いているわ。
ランドセルを背負った小学生。
虐められでもしたのかしら。
それとも、テストの点が悪かったとか。
近くに学校がるけど、いつもの下校時刻よりだいぶ早いだから、体調不良で早退とかしたのかもしれないわね。
一人ぼっちで下校する小学生。
うふふっ。
いい獲物じゃない。
最初のコメントを投稿しよう!