1人が本棚に入れています
本棚に追加
殺し屋は、トラックから引きずりだした運転士のおじさんをポイっとそこら辺に捨てて、私を見て微笑んだのちどこかへ去って行ってしまった。
でもその表情がなんとなく悲しそうに見えたのは、目の錯覚だろうか。
とりあえず私は、
「「たっ、助かった?」」
助けた小学生と同じ言葉を発していた。
メリーさん、殺し屋に命を救われる。生きてないけど。
一体どういう風のふきまわしなのかしら。
私は殺し屋の女。
人を殺して、生計を立てているわ。
この世の中は綺麗な事だけでできているわけではないから、悲しいけど私のような女も必要なのね。
幸いにも私には、人を殺す才能があったから、順調に殺し屋家業を続けているわ。
でも、こんな私にもう初心な頃はあったのよ。
初めて人を殺した時は、手の震えがとまらなかったわ。
けど、手にかけたそいつは悪い奴だったから、同情なんかではないわね。
ただ自分が汚れた存在になってしまった事がショックだったの。
でも、悪い奴を殺していけば、その事を忘れられていられたわ。
最初のコメントを投稿しよう!