第11話. 涙の無駄遣い

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 Aさんのブログを毎日覗いていたが、不安定を通り越して「死」を匂わせるような投稿が明らかに増えた。  それを読んだAさんの読者さんは、コメント欄で懸命にAさんに呼びかける。  『Aさん、生きて。Aさんには私達読者がついてるよ!』  『Aさんなら絶対大丈夫!!』  もはや決まったメンツになっていたAさんの読者さん。  Aさんの身を心から心配して、呼びかけているのに、Aさんはそんな読者さんのコメントに対応しない。  体調が悪くて、返信できないのかもしれない。  でも、「しにたい」と発信するなら、それを読んだ読者さんが心配するとわかっているはず。  なのにコメント欄を開けっ放しにしているのはどうしてだろう。  コメントに返信しなければならないなんて規則はないけれど……  コメントのスタイルは人それぞれだけど……  もしかしたら、Aさんは………?  このとき感じた疑問は、やはり的中していた。      ―――この頃、Aさんは持病の疾患のため、「入院する」とブログに書いていた。  実は、遡ること2018年年末、個人的にAさんに相談を受けていたので、自分なりにAさんに寄り添っていた。  LINE上でも、Aさんは私に弱音を吐いていた。
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