第11話. 涙の無駄遣い

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  LINEで見る限り、Aさんは弱りきっていた。  犯罪を犯したAさんの両親。  Aさんはそんな両親と離ればなれに暮らしており、いつも両親の愛情を欲していた。  ま「Aちゃん、 なにかあったの? 話してみて?」      A「生きたくない」  ま「どうして?なにかあった?病気が辛い?」  A「生きるのが、生きてる意味が なんなんだろうって」  ま「生きているのが辛いか。。。 私もAちゃん くらいの年齢のころ、生きている意味がなんなんだろう、ってよく 思っていたよ。  今のAちゃんはその時の私だと思う  辛いよね、辛い、辛い。  なんかあったら電話しておいでね」  A「大丈夫。嘘はつかないよまゆちゃん。ありがとう ありがとう。頑張ればいいのかな?」     嘘はつかない――Aちゃんは、私のこと信頼してくれているんだ。  頑張ればいいのかな、なんて悲しい質問をするんだろう。  本当に、10年前の私みたいだ………。  私はAさんに一言「頑張らくていいよ」と返信した。  Aさんは、既読になったものの返信が止まった。  私はそのまま自分の気持ちを率直にLINEの文字に打った。    「入院中、ゆっくり休んでね、 お医者様や看護師さんに 頼ってね。家族に愛されないのは私も同じだよ。私はAちゃん大好きよー  妹みたいに大事! レイナとふたり妹がふたりいるみたいよ!普通になれないんだろう、って私も思うことあるけど......。  一般的に言う普通、 って健常者で家族が当たり前にいて働いて・・・ってことじゃない?  別にそれが普通とは限んないからね。  普通に生きてるように見えて実はとんでもな い闇を抱えてたり、病んでる人もいるよ... 人を利用したりするような人も。私はいつでも話は聞くし、精神的に支えてあげたいって思ってるよ」
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