第11話. 涙の無駄遣い

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  Aさんがしにたいと言うのは、きっと構ってほしいからなんだと思った。    ―――きっと愛情不足なんだと思う。  その気持ちは痛いほどよくわかるから。  だから私はAさんに本音で話すと決めた。  心から支えてあげたいと、そう強く思った。  真剣な気持ちが伝わったのか、Aさんから力強い返信が返ってきた。  「私もまゆちゃんみたいになれるよう生きる。 やりきるよ!」と。  私は嬉しくなり「 元気になったら東京においで」と返した。  Aさんは即レスポンスで「いく!!」と。  「わたしんちにお泊まりしよー」と呼びかけると  Aさんはまた元気いっぱい「楽しみを作ってくれてありがとう!!」と返してくれた。  これが、しばらく音信不通になる前の  Aさんの最後の返信になった。  その後、何度かLINEでメッセージを送ったり  クリスマスや元日に挨拶のメッセージを送ったが既読になることはなかった。  信頼関係が成立するようなやり取りのあと、突然連絡が取れなくなったことが不安にならないわけない。   だって、Aさんは、ブログだけは書いて更新しているんだもの。  どうしても、Aさんの言動が掴み取れない。    それでも、どうしても気になってしまう自分のこの性格は誰かの役に立っているのだろうか。     
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