第11話. 涙の無駄遣い

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 私の日課は、夫が仕事に出ている間に家事全般をこなす。  夫は朝はガッツリ食べない人なので、私が作らなくても勝手に牛乳やバナナなどを口にして出勤する。  洗濯と軽く部屋の掃除を済ませたら自宅マンションから徒歩数分のスーパーに買い出しに行く。  自分の昼食は、手をかけずに一品料理で簡単に済ます。  そして、ようやく自分の時間。 「さて…、始めるかぁ」  スマホを手にして、エブリスタアプリを開き、自叙伝の続きを執筆する。  CDコンポから流れるバックミュージックは90年代のJーPOP。  夕方前まで、集中的に書く。  私の執筆は、かなりスローなほうだ思う。  調子のいいときはツラツラと文章が勝手に湧き出てくるが、ダメなときは1時間かけても2行の文章しか思い浮かばないことなんてザラにある。     …才能型ではないことは自覚していた。   「私ってやっぱ努力しないと書けないタイプなんだなぁ……」  ふと、時計に目をやると、15時前。  ……一旦エブリスタを閉じて、ア○ーバを開いた。  そして、今日も更新されているぽちさんのブログに目を通した。
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