第12話. 友情と憧れが消えた日

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   *   今日も、協力してくれるブロ友さんに同行してもらい、弁護士事務所に向かう。 「Kさんの情報をもっと収集できたらいいかもしれません」  弁護士さんからこうアドバイスされたので、やはりもう一度空白の情報を入手しようと思った。  「空白の情報」とは、私が知らない「AさんとKさんのやり取り」。    AさんはKさんのことを問い詰められるのを露骨に嫌がった理由は、未だにわからない。  2人がどんなやり取りをしていたのかも。  最後にもう一度、Aさんに訊いてみようと思った。  だがしかし、Aさんから有力な情報を得るどころか、この接触が大騒動へ発展する。  あのぞっとする衝撃的な動画を観てから初めてAさんと接触する。  前回同様ブロ友さんも参加してもらい、グループ電話で話をすることにした。  まずは、私が単刀直入にAさんに切り出した。 「Kさんとはどんなやり取りをしていたのか思い出せないかな?」      やはりAさんから返ってきたのは想定内の素っ気ない返答だった。 「そんな昔のこと訊かれても困る。私も体調悪くて記憶とか消えることなんてしょっちゅうなので」    あぁ……やっぱりそういう答えね。  諦め半分だったけどさ、Aさんは肝心なときにいつも「記憶がない」と言う。    それは、単なる言い訳、逃げているとしか思えない私はひねくれているのだろうか。
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