第12話. 友情と憧れが消えた日

15/19
前へ
/43ページ
次へ
   それでも私は質問を続ける。  私にとっては、重要な問題だから!    「Kさんのメッセージは一通も残ってない?」 「だから残ってないって!」 「Aちゃん、感情的にならないで冷静に話そうよ。Aちゃんは忘れてしまったことでも、私にとっては必要で重要なことだから訊いてるんだよ?」   「はぁぁ〜……」  ―――いかにも面倒くさいといった感じで、Aさんは大きくため息をついてみせた。  わたしたち、ともだちなんだよね?  Aさんは、極端だ。  寄り添ってくれるとき親身過ぎるくらい過剰に寄り添ってくれるのに、突き放すときは氷のように冷たい。他人事のように。 「――Aさんはぽちさんなんだよね?」      これが最後の質問だと決めて、ぽちさんとしてブログを書いている理由、真意を訊いてみた。   「違います!まだ言うの!」 「じゃ、Aちゃん今どこに住んでいるの?何度聞いても教えてくれないのはどうして?」  「私は独りで暮らしてる!!!」  とうとう、自ら墓穴を掘ってしまったAさん。  「Aさん」が独り暮らしなのは知っている。独身だもの。   だけど―――、「ぽちさん」には契約婚した旦那さんがいる。  ということは、ぽちさんが結婚していることは「設定」ではなく、「事実」なんだ。  じゃあ、「Aさん」も結婚しているということになる。  「Aちゃん、本当のことを話して?  私、Aちゃんの力になりたいと思ってる、だから………」  真剣に向き合って、お願い……  
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加