第12話. 友情と憧れが消えた日

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 事態が収束したのは、日にちが明けた深夜2時。  心配する夫の横にグッタリと横たわっていると、大阪の警察署から確認の電話が入った。  私は無事解決したこと、Aさんが怪我一つないことを報告した。  参考人として、私の名前や住所、身分などを聞かれた。  結局は、一連の騒動はAさんの自演だということは間違いないが、そんなことは言えなかった。  事情聴取が終了したのは、午前3時を過ぎていた。     ―――もう、無理かもしれない。  もう、もう、もう…………  Aさんに対して、はっきりと不信感を感じ、それを自分がもう拒否することはなかった。  そして、悔しくて、悲しくて、大粒の涙が溢れてきた。  「もう限界だ。疲れちゃったよ……………」     Aさんと距離を置こう、迷うことなく決心した。  何をするにも、何を決断するにも、普通の人よりスローテンポな自分のバカさ加減に笑ってしまう……    
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