最終話. あの子の笑顔に出会えた日

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    …餌食姫さんのメンションを目にした途端、涙が止まらなくなった。  真面目なときの餌食姫さんは、本当に心強く私を安心させる言葉をかけてくれる。  私はすぐに餌食姫さんに返信した。  餌食姫さんもまた私の返信に即レスしてくれた。     そして、驚くべきことを私に打ち明けてくれたのだ。  『私はまゆちぇさんの気持ちがよくわかります。形は違えど私も数年前、ストーカーにつきまとわれていました』   餌食姫さんも、ストーカー行為に悩まされた過去があったんだ……。  しかも、その内容を聞いているとかなり悪質なストーカー加害者だ。   『食べれなくて眠れなくて、10Kg落ちました』と。  いつも天真爛漫、元気いっぱい、悩みなんてなさそうな餌食姫さんにそんな辛く苦しい経験していたなんて。 『悔しいですが警察は何もしてくれません。私の場合も殺害予告があってようやく警察が動いてくれました』  ―――やっぱり、そこまでないと動いてくれないのね……    同じ悩み、同じ苦しみ、同じ悔しさ、、、  餌食姫さんと共感できたことが嬉しい。  エブリスタのこの場所で、餌食姫さんと一気に距離が縮まった。      いや、ちがう。  私が馬鹿だった。  ようやく、ようやく目が覚めた。  やっと大切なことに気付いたんだ―――――――
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