最終話. あの子の笑顔に出会えた日

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 ふと、まるで鈴の音のような可愛らしい声で名前を呼ばれた。    目の前には、きょとん、と目をまん丸にした「あの子」が立っていた。   「あーーーーーーっ」     思わず、人目を憚らず、抱きついてしまった。     「餌食姫さんだぁ!!!こんにちは!」 「こ、こんにちは…!」 「やっと会えたねぇ!!」    本当に、本当に、やっと会えた。  初対面だというのに、初めて会った気がしないのは、きっと3年という時間が2人を繋いでいてくれたから。  ブログに載せてある写真は、ボブカットでいつも必ずと言っていいほど、満面の笑みを浮かべてピースをしている餌食姫さん。  その笑顔の向こうには、私と同じように執着してくる存在に悩み苦しんできた日々が隠されていたなんて。  おさげヘアーで、ワンピース姿の餌食姫さんは、想像していた以上にとても可愛らしいルックスだった。  
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