第12話. 友情と憧れが消えた日

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  ブロ友さんは「まぁまぁ、Aちゃん…」とAさんを宥めている。  Aさんのカリカリした様子からして、いまなにかに取り込んでいる最中だったのかもしれない。   私は冷静に問いかける。        「Aちゃん、今何かお取り込み中だった?」 「はい!いま途中だったよ!」        ―――Aさんが口走った「途中」という単語を聞いて、間違いないと確信した。  Aさんは、いまブログを書いている「途中」だ。  私もブログを書いている最中に邪魔がはいるとAさんのように酷くイライラする。  特にア○ーバは、記事を途中保存すると、そのまま記事が消えてしまうハプニングがしょっちゅうある。  現在いまAさんのブログは更新が止まっているから、おそらく「ぽち」さんとして記事を書いている最中だったんだろう。     ブロ友さんも私も Aさんがぽちさんとしてブログを書いていることはわかっている。  だから、この機会に訊いてみることにした。         「Aちゃん、いまブログ書いてる途中だった?  私と○さん(ブロ友さん)…ぽちさんのブログを読んでるんだ。  間違っていたらごめんね、ぽちさんの文章とか内容とか見ると、Aちゃんにソックリなんだよね。  ぽちさんは、Aちゃんだよね?」      しばらく沈黙が続いた。         その沈黙を破ったのは、Aさんだった。             「違います!!私じゃないです!!」
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