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第12話. 友情と憧れが消えた日
Aさんは確かに言った。
7人から誹謗中傷のメッセージが送られてきていると。
そして、7つはすべて捨てアカで、犯人はJさんの可能性が高い と。
自分の想いを記事にしたため、拡散することでJさんに自分の過ちに気付いてほしい、と。
―――それらのことを、Aさんは私に協力を求めた。
私からしたらAさんに「拡散してほしいとお願いされた」と思っている。
……だから、思いきってAさんのためにアメンバー限定ブログを全体公開したのに。
「しね」、「きえろ」、「きょげんへき」。
これらはAさんのアンチの決め文句だよね。
よく考えれば 証拠のスクショを1枚も保存していないし、仮に犯人がJさんだとして、どうやって突き止めたのだろう。
Aさんを、問い詰めたい。
……問い詰めたところで、「記憶がない」と言われてしまえば、もう何も言えなくなる。
ねぇ、久々にたくさんの人に読んでもらえて随分嬉しそうだね。
私のアメンバーさん達はAさんの拡散記事に「いいね」をしていた。
まさか、だよね?
まさか、一時の注目を浴びたいために、「誹謗中傷されている」なんて口走ったなんて、そんなことないよね?
―――自分の記事を読んでほしいがために、私に「拡散してほしい」なんてお願いしたんじゃないよね?
頭ではわかっていた。
芽生えてしまった不信感に。
わかってしまったのに、ぐっ…とその感情を押し殺した。
いくつになっても直らない、私の悪い癖だ。
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