運命と思わせて

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なぜだろう、と麺を啜り、肉うどんの牛肉を咀嚼していたら、あっと思い浮かんだ。 化粧をもう少し薄くしたら、あの女性はこの女優に似ている。 それに気がついたとき、あの人と知り合いになりたいと思った。 でも、俺はいきなり連絡先を渡すとか、そういうことをしたことがない。 だからどう話しかけようか悩んだ。 悩んでいる間もよく見かけた。見かける度に、何もできない自分が悔やまれる。 そんな矢先に、仕事で自動ドアの修理の為にあるオフィスに訪れると(俺の仕事は設備の修理だ)、彼女が事務としてその会社にいた。 「こんにちは」 と玄関で出迎えた彼女を見て、俺は目を丸くした。 一緒に修理に来た先輩は、そんな俺を訝しげに見たが、「〇〇会社です」と修理に来た旨を彼女に伝えた。 修理を終えると、先輩が設備管理の人に、工事完了のサインをもらいにいった。 俺は工具の片付けをしながら、彼女の方をチラっと見た。やっぱりあのよく見かける彼女だ。 会社では制服を着てるんだなー、と見ていると、彼女と目が合った。 これは、、チャンスじゃないか!? 「あのっ···」 「はい?」 突然話しかけられた彼女は驚いていた。
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