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生き抜く強さを見せて、皆を助けたのはお春さんでした。
「仲間たちは皆、お春さんにはとても感謝していてな。感謝の気持ちとして、彼女だけは特別に、今も軍人会に呼んどるんや」
私に戦時中の部隊のアルバムを見せながら、祖父の勇は語りました。
どうやら芸者のお春さんは、年を重ねても皆に大切にされたようです。
以上が私の祖母のトヨ、祖父の勇の語りになります。
彼らが私に語れたのは、幸運にも生きて帰れたからでしょう。
当時の満州では逃げることが出来ずに、多くの方が亡くなったのは事実です。彼らには何の罪もありませんでした。多くの犠牲者に、遺族の悲しみに、鎮魂を祈ります。
次回は最終回、戦後の話として私のエッセイを載せようと思います。
米国の博物館で、リトルボーイとファットマンの実寸大レプリカの展示を見たときの話です。
追記:展示はリトルボーイのみ、レプリカではなく実物(中身を抜いたもの)でした。
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