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二十三 リトルボーイ(エッセイ)
【これは私、小梅あかりの実録エッセイです】
リトルボーイは、第二次世界大戦中に広島へ落とされた原子爆弾のコードネームだ。
米国にある博物館で、私はリトルボーイの展示を前にたたずんでいた。私は八歳前後で、時代は八十年代の中頃のことだ。米国では日本の真珠湾攻撃が有名で、原子爆弾の投下は必要であり正しいという意見が一般的だった。
米国のどこの博物館かはっきりと覚えていない。調べたらリトルボーイは1986年までワシントンにあるスミソニアンの国立航空宇宙博物館に展示されていたので、そこだったと思う。
米国の首都ワシントンにある、スミソニアンの国立航空宇宙博物館では、大型の施設の中に六万点におよぶ歴史的な飛行機、ロケット、月面着陸船、月の石などの実物が展示されている。入館は無料で、別館を合わせて年間八百万人の観光客が訪れる、全米でも人気一位と言われる博物館だ。
当時私の父は米国のマンハッタンの金融業で働いていたので、ニューヨークへ通勤出来るニュージャージー州に、私の家族は暮らしていた。
その日はからっと晴れた休日で、家族みなで観光するためにワシントンを訪れていた。航空宇宙博物館に入ってからは、小さな妹を連れた母も、三つ上の兄もそれぞれ展示を眺めて楽しんでいた。
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