彼女の部屋

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彼女の部屋

 今月は彼女の仕事が大詰めらしく掃除や料理は俺の担当。 彼女は実績を積み大手の商社の企画室でそれなりに重要なポジションで働いている。 俺達は大学時代からの知り合いで合コンで再会して付き合ったわけで勤めている会社は違う。 同棲する時に借りた部屋は2LDKだが通勤圏内だからそれなりに高い。二人の寝室と彼女の書斎とリビングダイニングなわけで。 彼女が書斎を欲しがった時に彼女の仕事の内容から必要かと俺も思ったから同意した。 俺は家に仕事を持ち込むことは少ないが彼女は多いそれは職業柄仕方ないと理解してる。 こういうと俺は友人から「女の尻にしかれてる。」と言われるが決してそうではない。 今月は企画の詰めをする必要がある為に忙しいという話から家事は俺がすると彼女に提案した。 「私の部屋今最悪だから放置しておいて~。」 彼女の書斎には基本入らないが少し気になって入ってみる事にした。 「うわ~なんだこれ!」 広い部屋ではないが所狭しと資料が散乱しているし、床で寝ころびながら仕事をしたのかメモが変な形で散らかっている。 「すごく汚いが・・ここは戦場なのか?」 戦場だったのだろう、出勤する時の彼女はキッチリスーツを着て髪をまとめていた。 土曜日だというのにクライアントが土曜日と指定したからと彼女は上司と先方とで詰めの話し合いをしているはずだ。 今日はコンタクトでなく眼鏡をかけていたと言う事はドライアイが酷くてコンタクトが痛いのだろう。 掃除をするにも何が必要で何がいらない物なのかもわからない部屋を勝手に掃除するわけにもいかずにそのままにしておく。 ふと棚を見れば彼女が手掛けたのだろう企画のファイルが並べられていた。 聞いた事ある会社や企画名のファイルがある。 「んっこれはなんだ?」 ボツファイルはわかるが 「おやすみファイル」というのがあった。 中身を少し見るとそれは商品企画や色々あるが全て画期的で個性的なものばかりで一緒にファイルしてある資料はかなり時間をかけて 調べられたものだと素人でもわかる。 いくら一緒に住む仲でも社外秘ではないが他社の人間が見てはいけないかも知れないとファイルを元に戻して彼女の部屋以外を掃除する。
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