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そのあとからぼくたちは片時も離れず過ごした。
ぼくの両親に彼女と結婚することを告げると、ひどく驚いたが、それでもぼくたちのことを許してくれた。
それは彼女のご両親も同じだった。
そしてぼくたちの婚約は船中のうわさとなった。
「家柄がよいから」
そうつぶやく、やじ馬たちの言葉になど耳もくれず、ぼくたちは愛を育みあった。親同士が今後のことを朗らかに語り合っていた。
それから数日後には、ついに彼女と同室で寝ることを許された。それがぼくにはたまらなくうれしく、まさに天にも昇る思いだった。
初めてひとつのベッドで過ごすとき、彼女はいつもと同じ美貌と美しさ、そしてやさしさでで、ぼくを優しく包み込んでくれた。そんなぬくもりのなかふたり静かに眠りについた。
彼女の他に何もいらないと思った。
そしてぼくは、夢をみた。
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