王子様は発情期

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――くれぐれも、藤色がほかの女の子たちに手を出さないように、性欲をうまく処理してやって、管理するように。まだ藤色は十五歳なんだ、まだまだ売れれる立場で、スポンサーだらけなんだからからな。何かあったら困る。 そう、お父さんはあたし言った。あたしの前に数百万を突き付けて。 しかも、その数百万は毎月渡されるのだからたまらない。 どんどん増えていく貯金の残高。さすがに恐怖を感じて、受け入れるかわりに毎週の受け取りを拒否した。 最終的には、億ションと月50マンの仕送りは押し付けられてしまったけれど。はあ。毎週数百万よりはマシだ。 けれども。   その結果、藤色のマネージャーの付き添いとして、生活を彼とともにしている。 彼は母子家庭で育ったらしい。 いま、お母さんはそばにいないらしい。 らしいらしいばかりだが、プライバシーってやつらしいのだ。謎。 藤色は、家事が全くできやしない。 ひとり暮らしは危険すぎる。 いろんな意味で、無理だ。 あたしは一応短大時代は自活してきた。 口も固いとは言われている。 しかも、芸能事務所にとっては身内。 かなりの安全牌。 結果、今の保護者はあたしである。
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