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「藤色!?」
「オレは本気で寧音が好きの」
「冗談じゃなかったの!?」
「初めから本気でしか言ってねえ! いい加減にしろ、鈍すぎだ」
叫ぶ藤色に、みんな目を丸くする。
普段のあほっぽさのない、本気の男の顔をした藤色に……あたしは胸をときめかした。
(え? え?)
ドキドキする心臓に、戸惑うあたし。
「悪いが、オレはこいつのために日本にいたい。それ以外の協力ならする」
『そうか……お前も恋に生きるのか。まあいい。まだ時間はある。じっくり考えてほしい』
そう言って王族達は部屋を出て行った。
彼らの香水のにおいが残る部屋の中、あたしはドキドキして藤色の顔を見れないでいた。
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