王子様と王家

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「まあ、オレらはずっと一緒だから、のんびりでいいんだよ」 あたしは無言で頷く。 そこで、とある指輪をふたつ拾った。 さっきの王族の落とし物だろう。 それをあたし達ははめてみる。 あたしと藤色にぴったりのサイズ。 「もらっちまおうぜー。これ、婚約指輪ってことで」 「藤色は芸能人だから、外しなさい」 「……はあい」 あたし達が結婚できるのはいつだろう。 きっとまだまだ藤色は王子様を演じていく。 だけどあたしは構わない。 あたしの前でだけは、素の藤色が見れるのだから。 愛してる。  END
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